ごあいさつ

すべての子どもは夢を持って生まれてきます。その未来に向かう希望を明るく照らし、一人ひとりの子どもたちを育んでいくことが地域社会の使命です。 一方で、子どもは社会の現状を映す鏡でもあります。子どもたちが抱えている課題は、みんなで力を合わせて解決していかなければなりません。私は、世の中が良くなっているかどうかは、子どもたちの明るく輝く笑顔に接することで感じ取ることができる、そう考えています。

こども財団は、平成30年(2018年)5月1日に創設されました。明石市は、すべてのこどもの幸せのために、地域のみんなで子どもを見守り支えていく社会を実現するため、子どもを核としたまちづくりを進めています。子どもにやさしい諸施策は、大きな目で見れば、すべての人にやさしい社会の構築と言うこともできます。「すべてのこどもたちを地域みんなで応援する」という熱い思いを合言葉に、子ども一人ひとりに寄り添い、子どもの目線で、子どもの立場に立った支援を行うために立ち上げられたのが、こども財団です。

私は弁護士の仕事を通じて、学校や家庭の事情でしんどい思いをしている子ども、孤独や障がいを抱えてさびしい思いしている子ども、心の中を話せずにもどかしい思いをしている子どもたちと接する機会があり、そのたびに胸を痛める経験を重ねてきました。逆に、子どもへの愛情をうまく形にできない親、力になりたいが

どうしたらよいか分からない大人たちから相談を受けることもあります。そんな子どもや大人たちに「あなたは決して一人じゃない」と伝えるために、何か大事なピースがひとつ欠けていると思っていました。

こども財団が展開する事業には3本の柱があります。一本目は、子どもの支援に関わる人材を育成することです。全国2か所目の「西日本こども研修センターあかし」の運営や、地域ボランティア人材のコーディネートを行っています。二本目は、支援のネットワークづくりです。市やNPOや企業や学校などの連携を促進して、すべての子どもをインクルーシブする地域づくりに貢献しています。三本目は、子どもや子育てを支援する活動のサポートです。市内全小学校区に開設するこども食堂や放課後児童クラブなど、こどもの居場所づくり活動や地域学習支援活動への助成をはじめ様々な形で応援をしています。さらに加えて、児童相談所に一時保護された子どもを対象とする「こどものための第三者委員会」による調査活動など、新しく生じるニーズにも応えています。

こうした活動を通じて、すべての子どもが、心豊かであたたかな「幸福追求権」(憲法13条)を享受できるよう、こども財団は、地域社会の大事なひとつのピースになりたいと考えています。

理事長 津久井進

PAGETOP